電気代高騰の鍵はこれ!日本の「発電の割合」から読み解くエネルギーミックスの現在と未来

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「また電気代が上がった…」そう感じている方は多いのではないでしょうか?実は、私たちの家計を圧迫する電気代の高騰には、日本がどのような方法で電気を作っているか、その「発電の割合」が深く関係しています。

この記事では、日本の電力供給の根幹をなす「発電の割合(電源構成)」に焦点を当て、なぜ今の電気代になっているのか、そして将来に向けてどう変わっていくのかを分かりやすく解説します。この仕組みを理解すれば、日々の電気代や日本のエネルギー問題がもっと身近に感じられるはずです。

日本の電気、どこから来てる?現在の発電の割合

まず、現在(直近のデータである2023年度速報値)の日本の発電の内訳を見てみましょう。

  • 火力発電(バイオマスを除く): 約68.6%
    • 天然ガスや石炭を燃やして電気を作ります。日本の電気の大部分を今も支えている主力電源です。
  • 再生可能エネルギー(水力を含む): 約22.9%
    • 太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスといった自然の力を利用する発電です。年々その割合を増やしています。
  • 原子力発電: 約8.5%
    • 震災以降、多くの発電所が停止していましたが、再稼働が進むにつれて割合が再び増加傾向にあります。

この数字を見てわかるように、現在の日本は依然として火力発電に大きく依存していることが特徴です。

なぜ火力発電が多いと電気代が高くなるのか?その理由

火力発電が日本の電力の大部分を占めることは、安定供給という点でメリットがある一方で、電気代が高騰する主な要因にもなります。

  1. 燃料のほとんどを輸入に依存: 日本は、火力発電の燃料となるLNG(液化天然ガス)や石炭のほとんどを海外からの輸入に頼っています。
  2. 国際情勢や為替の影響を直接受ける: 世界的な燃料需要の増加やウクライナ情勢のような地政学的なリスク、さらには円安が進むと、輸入燃料の価格が高騰します。このコスト上昇分が、そのまま私たちの電気代に反映されてしまうのです。

このため、いくら国内で節電を心がけても、国際的な燃料価格や為替の変動には個人ではどうすることもできません。ここに、電気代高騰の大きな鍵が隠されています。

未来の電気代はどうなる?2030年の目標と「エネルギーミックス」

このような課題に対し、日本政府は2050年のカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量実質ゼロ)達成を目指し、電力の作り方を大きく変える「エネルギーミックス」の目標を掲げています。

「第6次エネルギー基本計画」による2030年度の発電の割合目標は以下の通りです。

  • 再生可能エネルギー: 36~38%
  • 火力発電: 41%
  • 原子力発電: 20~22%

この目標からは、日本のエネルギー政策の方向性が読み取れます。

  • 再生可能エネルギーの飛躍的な増加: 太陽光発電を中心に、風力や地熱なども活用し、環境に優しい電気の割合を大幅に増やそうとしています。これにより、燃料輸入のリスクを減らし、CO2排出量も削減することを目指します。
  • 原子力の活用: CO2を排出しない安定電源として、安全性を最優先しながら原子力発電の活用を進める方針です。
  • 火力発電の比率低下: 全体の割合は減らすものの、電力の安定供給の「調整役」として、引き続き重要な役割を担うことになります。同時に、CO2排出量を抑える技術(CCUSなど)の開発・導入も進められます。

まとめ:電力の未来を知ることが、家計と地球を守る第一歩

日本の発電の割合、そして未来に向けたエネルギーミックスの目標を理解することで、なぜ電気代が高騰しているのか、そしてどのように変わっていくのかが見えてきたのではないでしょうか。

私たちの暮らしを支える電気は、単なる商品ではなく、国際情勢や環境問題、そして国家のエネルギー戦略と深く結びついています。この知識を持つことが、ご自身の電気代を見直すきっかけになったり、日本のエネルギー問題について深く考える一助となれば幸いです。

これからも、日本の電源構成の変化に注目していきましょう。

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