「ファイルが大きすぎてメールに添付できない」「複数のファイルをまとめて送りたい」といった悩みを抱えていませんか？その解決策がファイルの圧縮（ZIP化）です。Windowsの標準機能を使えば、特別なソフトをインストールすることなく、誰でも簡単に作業ができます。
この記事では、Windows 11と10に特化したZIPファイルの圧縮方法と解凍方法を、初心者でも迷わないよう丁寧に解説します。さらに、知っておくべき容量削減のコツやセキュリティに関する重要な注意点まで、一歩進んだ情報を提供します。
Windows標準機能を使った圧縮と解凍の基本手順
Windowsは、OS自体にZIP形式の圧縮・解凍機能が組み込まれています。この機能を使えば、複数のファイルを一つにまとめるだけでなく、データ容量を小さくして転送時間を短縮することも可能です。
圧縮の手順
- 圧縮したいファイルやフォルダーの選択
まず、ZIP化したいファイルやフォルダーを選びます。- 単一のファイルやフォルダー：対象を右クリックします。
- 複数のファイルやフォルダー：
Ctrlキーを押しながら、クリックして選択します。全て選択したら、その中のいずれかを右クリックします。
- 圧縮メニューの選択と実行
右クリックすると表示されるメニューから、以下の手順で進みます。- Windows 11の場合：
右クリック→圧縮→ZIPファイルの順に選択します。 - Windows 10の場合：
右クリック→送る→圧縮（zip形式）フォルダーの順に選択します。
- Windows 11の場合：
- 圧縮ファイルの完成
元のファイルやフォルダーと同じ場所に、ジッパーのアイコンが付いた新しいZIPファイルが作成されます。ファイル名は元の名前に基づいて自動で設定されますが、そのまま編集して分かりやすい名前に変更できます。
解凍（展開）の手順
圧縮ファイルを受け取った際も、Windows標準機能で簡単に中身を取り出せます。ZIPファイルを元の状態に戻す作業を解凍または展開と呼びます。
- 解凍したいZIPファイルを右クリック
展開したいZIPファイルを探し、右クリックします。 - 解凍メニューの選択
表示されたメニューから、以下の手順で進みます。- Windows 11の場合：
右クリック→すべて展開...を選択します。 - Windows 10の場合：
右クリック→すべて展開...を選択します。または、ファイルをダブルクリックするだけでも、中身が見られるようになります。
- Windows 11の場合：
- 展開先の指定と完了
すべて展開...を選択すると、展開先のフォルダーを指定するウィンドウが表示されます。
特別な理由がなければ、そのまま「展開」ボタンを押すと、元のZIPファイルと同じ場所に新しいフォルダーが作成され、その中にファイルが取り出されます。
圧縮率を高めるための豆知識と外部ソフトの活用
標準機能でも十分ですが、さらに効率的に圧縮したい、またはより多くの圧縮形式に対応したい場合は、以下の情報を参考にしてください。
1. 圧縮に向いているファイルとそうでないファイル
データの種類によって、圧縮の効果は大きく異なります。
- 圧縮効果が高いファイル： テキストファイル（.txt, .docx, .xlsx）、画像ファイル（.bmp, .tiff）、音声ファイル（.wav）など。これらのファイルは内部に冗長なデータを含むことが多く、圧縮によって大幅に容量を削減できます。
- 圧縮効果が低いファイル： 既に圧縮されているファイル（.jpg, .png, .mp3, .mp4）など。これらのファイルは既に効率的な形式になっているため、ZIP化しても容量はほとんど変わりません。何度も圧縮を繰り返すと、逆にファイルが破損するリスクもあります。
2. 多様な形式に対応する外部圧縮・解凍ソフトの利点
Windowsの標準機能はZIP形式のみに対応していますが、ビジネスや取引先によっては、「LZH」や「7z」などの異なる圧縮形式が使われることがあります。
「7z（7-Zip）」形式は、ZIPよりも高い圧縮率を持つことが多いため、より容量を削減したい場合に有効です。これらの形式に対応するためには、サードパーティ製の圧縮・解凍ソフトの導入を検討すると良いでしょう。
- 代表的なソフトの例
- 7-Zip：高圧縮率の7z形式に対応し、多くの形式の解凍が可能です。
- Lhaplus：シンプルで使いやすく、日本の環境でよく使われるLZH形式に対応しています。
セキュリティリスクに注意：パスワード付きZIP（PPAP）の現在
パスワード付きのZIPファイル（いわゆるPPAP：Password-protected Zip file, Attached, and Password, Another mail）は、かつて広く使われていましたが、現在ではセキュリティ上のリスクが指摘され、多くの企業や官公庁で利用が非推奨となっています。
- メール盗聴のリスク：パスワードを記したメールとファイルを同時に送ると、万が一メールが盗聴された場合、両方が同時に漏洩する危険性があります。
- マルウェア検出のリスク：セキュリティソフトがパスワード付きZIPファイルの中身をスキャンできないため、ファイルに潜むマルウェアを見過ごしてしまう可能性があります。
安全にファイルを共有したい場合は、以下の方法を推奨します。
- クラウドストレージの活用 Google DriveやOneDriveの共有機能を使えば、ファイルを暗号化して安全に転送できます。受信者にのみアクセス権を付与でき、共有を停止することも容易です。
- 法人向けファイル転送サービス 大容量ファイルを安全に送るための専門サービスを利用するのも一つの手です。多くの場合、ファイルのダウンロード期限や転送履歴を管理できます。
まとめ
- Windowsの標準機能（
右クリックメニュー）で、特別なソフトなしにZIP化と解凍が可能です。 - 既に圧縮されているファイル（.jpg, .mp4など）は、ZIP化しても容量はほとんど減らず、圧縮効果は期待できません。
- より高い圧縮率や多様な形式に対応したい場合は、7-Zipなどの外部ソフトの導入を検討しましょう。
- セキュリティ上のリスクがあるため、パスワード付きZIP（PPAP）は避け、クラウドストレージなどを活用することが現在の推奨事項です。
ファイルを適切に圧縮・解凍し、安全な方法で共有することで、あなたのデジタル作業はより快適で安全になります。
ファイル管理とセキュリティの課題解決へ
ZIPファイルでのやり取りが多い方へ。ファイルの管理やセキュリティに不安を感じたら、専用のツールやサービスで安全性を高めることをおすすめします。
1. 高圧縮率と多様な形式に対応：7-Zip
無料で使える高機能な圧縮・解凍ソフト。特に7z形式の圧縮率は標準ZIPよりも優れています。
7-Zip (公式ダウンロードページ)
2. 安全なファイル共有を徹底：おすすめのクラウドストレージ
ビジネスや機密性の高いファイル共有には、セキュリティ機能が充実したクラウドストレージが不可欠です。
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