マイナンバーカードを健康保険証として利用登録した「マイナ保険証」。これからの医療の中心となる便利なツールですが、いざ医療機関で提示した時に「使えない」と言われたら、どうすればいいのでしょうか? 突然のことで焦ってしまうかもしれませんが、大丈夫です。
この記事では、マイナ保険証が使えない主な原因と、その時にどう対処すれば良いのかを分かりやすく解説します。事前に知っておけば、いざという時も落ち着いて対応できますよ。
マイナ保険証が使えない主な原因
マイナ保険証が使えないのには、いくつかの理由が考えられます。まずは、以下のいずれかに当てはまらないか確認してみましょう。
1. マイナンバーカードの有効期限が切れている
マイナンバーカード本体と、カードに搭載されている電子証明書には、それぞれ有効期限があります。特に、マイナ保険証としてオンライン資格確認を行うには、電子証明書が有効であることが必須です。
- 考えられる状況: 医療機関の顔認証付きカードリーダーで読み取れない、エラーが表示される。
- 対処法: 有効期限の2〜3ヶ月前を目途に届く「有効期限通知書」を確認し、マイナンバーカードの更新手続き(電子証明書を含む)を早めに行いましょう。有効期限切れから3ヶ月以内であれば一時的に利用できる場合もありますが、継続して利用するには更新が必要です。
2. 健康保険の資格情報が更新されていない
転職、退職、引っ越しなどで加入している健康保険が変わった場合、新しい健康保険組合や市区町村への加入手続きが必要です。 この手続きが完了し、情報が反映されていないと、マイナ保険証として利用できません。
- 考えられる状況: カードリーダーでは読み取れるものの、「資格情報が確認できません」などのエラーが出る。
- 対処法: 新しい健康保険への加入手続きが済んでいるか確認し、完了していない場合は速やかに手続きを進めましょう。手続き後、情報連携に数日かかる場合があるため、心配な場合は新しい保険証が手元に届くまで待つか、事前に医療機関に確認すると良いでしょう。
3. マイナ保険証の利用登録をしていない
マイナンバーカードを持っていても、健康保険証としての利用登録を済ませていないと、マイナ保険証としては使えません。
- 考えられる状況: マイナンバーカードを読み取っても「未登録」と表示される。
- 対処法: マイナポータル、セブン銀行ATM、または対応している医療機関の顔認証付きカードリーダーなどで利用登録を行いましょう。 簡単な操作で登録できます。
4. 医療機関・薬局側のシステム不具合や未導入
医療機関や薬局側のシステムに一時的な不具合があったり、オンライン資格確認の設備が故障していたりする可能性もゼロではありません。また、いまだにオンライン資格確認システムを導入していない医療機関・薬局も存在します。
- 考えられる状況: 医療機関のスタッフから「システムエラーで使えない」「当院では対応していません」と告げられる。
- 対処法: その医療機関の指示に従いましょう。多くの場合、後述する代替手段での受診を案内されます。
使えなかった場合の代替手段:焦らずに医療を受けるために
万が一マイナ保険証が使えなかったとしても、医療が受けられないわけではありません。以下の方法で、安心して診察を受けられます。
- 従来の健康保険証を提示する
- 2024年12月2日以降、お手元の従来の保険証は、記載されている有効期限まで(最長2025年9月30日まで)は引き続き使えます。
- 「資格確認書」を提示する
- 2024年12月2日以降、マイナ保険証を保有していない方には、従来の健康保険証の有効期限が切れる前に、申請なしで「資格確認書」が交付されます。 これを健康保険証の代わりとして医療機関に提示できます。
- いったん全額自己負担で支払い、後日返金手続きを行う
- 上記のような代替手段が手元にない場合でも、医療機関は診察を受け付けてくれます。その際、医療費の全額(10割)を一旦支払います。
- 後日、加入している健康保険組合や市区町村の窓口で申請すれば、保険適用分の医療費(通常7割または8割、9割)が返金されます(これを「療養費払い」と言います)。必ず医療機関で領収書を受け取り、保管しておきましょう。
まとめ
マイナ保険証が使えない場合でも、焦らず冷静に対応するための知識があれば、安心して医療機関を受診できます。特に、マイナンバーカードの有効期限(電子証明書)の確認と、利用登録の有無がポイントです。
いざという時に困らないよう、この記事で解説したポイントをぜひ覚えておいてくださいね。
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